戦場のヴァルキュリアのシステムが面白かった話

いったんクリアしました。

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戦場のヴァルキュリアクリア画面

 

あまりスクリーンショットを撮りながらプレイしないので文字多めです。

 

最近は信長の野望創造とかFE風花とかのストラテジーゲームを中心にプレイしていたところにいっせいトライアルで来ていたので渡りに船といったところ。

このタイトルは昔少し聞いたことがあるな程度の知識でしたのでプレイ前に少し調べてみたところ、PS3シミュレーションゲーム(以下SLG)では最高傑作といった評価を受けていました。*1

実際にプレイしてみてその評価は決して過大評価ではなかったと思います。

というよりも一番驚いたのがセガが開発していたという事実。あまりこういったゲームを作っているイメージはなかったため驚き。

 

以下記憶を頼りに記述。

 

SLGは基本的に自ターンと相手ターンを分けてそれぞれユニットを進めていき、敗北条件を防ぎながら勝利条件を満たすのが主な目的であり、楽しみだと思います。本作は戦略ゲームではなく戦術ゲームなため比較対象はciv信長の野望ではなく、FEやスーパーロボット大戦などと類似すると思います。ただ前者二つはそこそこやりましたが後者はFE(封印、新紋章、風花)とスパロボ(F)くらいしか経験がないため主にFEとの比較になります。

 

本ゲームの特徴

戦術SLGなため、既存のシステムは多く踏襲しています。その中で個人的に魅力的に感じたのが以下三つ。

  1. 塹壕土豪システム
  2. 移動パートにおける敵ユニットからの迎撃
  3. 拠点制圧&ユニット増援退却

この三つは既プレイの中では見たことのないシステムだったためとても驚きました。特に迎撃というのはユニット視点で考えてみれば当たり前のことなのにプレイヤー視点では考えてもいないことでしたので感心。

 

塹壕土豪は遮蔽物の近くに歩兵ユニットが近づくと「しゃがむ」コマンドが発生し、敵からの攻撃が当たりにくくなり、歩兵の弱点のヘッドショットを無効にするシステム。FEに翻訳するなら森の中に隠れると必殺も無効になるようなイメージです。複数人隠れることが可能なため非常に強力な反面、グレネード弾や戦車砲弾で更地に変えられてしまうためそこに隠れれば勝ちというわけでもないのが良い意味で悩ませてくれるシステムです。

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土豪

 

迎撃はプレイヤー視点だと攻めに時間がかかるのでストレスなだけですがこのシステムは両者共通であるため、FEなんかだと狭い位置に盾役を置いて耐えるが基本戦術だったのに対し、塹壕土豪に隠れながら向かってくる敵に対して一方的に打ち返せるため、時間稼ぎを目的とするならばこれ以上ない戦術であり、SLGプレイヤーなら時間を稼げるシステムの楽しさ・面白さは理解できるかと思います。

 

また、拠点の制圧はFEだと回復と回避に役立つ地点 or ロードユニットの到達目標地点レベルの認識ですが、本ゲームだと回復できることに加え、味方ユニットを任意に呼び出せる点がとても面白いです。

多くのマップで拠点が3つほどあり、ユニットの進軍に合わせ移動力の低い味方を戻し前線へ呼び出すことができるのは面白いです。従来であれば足並みを揃えなければならない関係上ターンを無駄にしてしまいかねない問題を一気に解決できるのはなかなか魅力的。特に総出撃ユニット数が限られている関係上、ワンポイントで欲しいユニットを使用後に退却させ前線を厚くできるのは戦術面で多くの手を見出せるのでとても良かったです。

 

FEとの類似点

マップとマップの間にストーリーが挟まれ戦力の増強を図り、また次のマップへ向かうシミュレーションRPGの定番の流れを汲んでいます。

 

ユニット一人ひとりにキャラ付けがなされており、ユニット同士に一部掛け声が存在するなど、好みのユニットを見つければかなり愛着を持てるのはとても好みです。

 また、最初から30人ほどの中から好みの20人を選別できるのは面白い試みと思いました。一方で最初に多数のキャラクターから20人を選べというのは個人的に難しかったので、ここは少し好みの分かれる仕様だったかもとも思いました。

 

また、FEだと武器の三すくみのほかにユニットの三すくみもあると思います。飛行兵は弓に弱いけど魔法に強い、魔法は飛行兵に弱いけど重装兵に強い、重装兵は魔法に弱いけどその他には強いといったものですね。

本作にも近い概念があり、

  • 対戦車兵は戦車には大きなダメージを与えられるが歩兵*2相手は苦手
  • 索敵兵、突撃兵、狙撃兵は対戦車兵に大きなダメージを与えられるが戦車には無力
  • 戦車は歩兵には強いが対戦車兵から大きなダメージを受けてしまう

といった具合。

そのほか支援兵もいますがこれは戦闘要員ではないため割愛。主に戦車や味方の回復と破壊された土豪の改修が主な役割。ただし後述するBLiTZシステムにおいてはJOKER的存在だと感じました。

 

FEとの差異点

 本作のBLiTZ*3システムはかなり独特です。

ユニットの選択モードと移動モードに分かれていますが、ユニット選択は2D上から視点で既存のものと同じように時間を気にせずに次の手を考えるターンに対し、移動時は3Dマップを三人称視点で動き回ります。自由に気になる地点を見て回れる一方、上述した迎撃システムが採用されます。つまり、目ぼしい箇所の探索を行いつつ敵からの迎撃を食らわないよう最適な行動を強要されます。ただユニットを選択しなければ(たとえ敵の真正面だろうと)迎撃はされないため、体力の低いユニットは選択せずに万全のユニットでアクションを起こせば詰むことは無いのが面白いさじ加減です。

また、行動力(≠移動力*4)はユニット一人に対してあるのではなく、プレイヤー単位であり、使い切らなかった行動力は次ターンに持ち越せることも面白い点です。例えば移動力に富む索敵兵を複数回動かし周囲の確認を行ったり、突撃兵を複数回操作して敵を一掃したり、対戦車兵で戦車に一ターン最大3回攻撃を与えたりなど。中でも歩兵はグレネードを一回、狙撃兵、対戦車兵は三回まで攻撃が可能*5ですが支援兵を側に移動させると弾薬をフルに再充填させることが可能なため行動力があれば何度でも攻撃できるのは面白いです。

 

差異点で大きな点がもう一つあって、ユニット単位の成長が無いことが大きいです。正確には兵種単位にレベルの概念があり、マップ間で兵種の強化を行えるといった具合です。この仕様の良い点は従来では終盤に一軍ユニットがロストした際に大きな戦力低下を受けない点が挙げられます。一方でユニット毎の成長がないため愛着が湧きにくい、エースでの無双がしにくい点が挙がります。

また、厳密には一定レベル兵種レベルが上がるとユニット毎に特殊能力の取得が行われ、これはユニット毎に特徴が出るため個性は出ますが戦闘後にレベリングをする関係上、戦闘中よりも成長を実感しにくいのかなとは思いました。

 

その他戦車兵の主人公がユニットに強化・行動指示が行える「オーダー」も特徴的でした。ただこれはあまり目立たなかった印象です。指定ユニットを即退却できる即時撤退、最終マップで攻撃強化を行った以外ではあまり強みを感じませんでした。

ただしオーダーは敵側の司令官も使ってくるため、存在感はあります。

 

ゲームシステムについては上述のようになります。

以下感想ですが、狙撃兵がとても強くバランスブレイカーでした。まあ史実でも狙撃兵は強かったんでしょうが。

その他あまり寄り道せず進んだため、上位兵種の猟兵になった時にはもう17章だったため猟兵の強みを活かせられなかったのが悔しい点でした。二周目はここら辺も楽しみたいです。

 

次回、ストーリーについて

coolonzuya.hatenablog.com

*1:第1作目は2008年のストラテジーゲームオブザイヤーを受賞し、各ゲームメディアでのレビュー得点も高かったことから2010年にはギネス・ワールド・レコーズから「The best strategy RPG for the PS3」に認定されている。また、携帯機へプラットフォームを移した2作目も2010年のElectronic Entertainment ExpoではGameSpotが選ぶ出展作品中の「Best PSP Game」・「Best RPG」という扱いを受けた。

特に従来のゲームにはなかったゲームシステムBLiTZを導入したことが本シリーズの好評に繋がっているようで、ゲームメディアだけではなくプレイヤーからも評価されている。その一方で、欠点として敵AIが賢くないことが挙げられることもある

*2:戦車以外は歩兵判定のつもりですが、ここでは索敵兵と突撃兵を指します

*3:Battle of Live Tactical Zone systems

*4:ユニット毎に移動可能範囲があり、索敵兵>支援兵>>>突撃兵=対戦車兵>狙撃兵

*5:グレ、狙撃銃弾、対戦車砲弾などは毎ターン一つずつ補充されます。歩兵のグレネードは最大所持数1に加えそもそも1ターンに複数回使わないためあまり実感しませんが、狙撃兵、対戦車兵は最大所持数が3つに加え、多く行動したい場面が多いため支援兵の有無は大きいです。